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『ハゲ~陰口の代償~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~陰口の代償~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~陰口の代償~』 ―朝礼後― 「今日の朝礼で気付いたんですけど、寺山さんハゲてません?」 僕がそうやって陰口を言うと遠藤さんは笑っていた。 「ほんま?気付かんかったわ。」 と返す言葉に、 「ちらっと見ただけなんですけど、結構やばかったですよ。」 と含み笑いを持たせて応える。 「苦労してはんねんで。」 と言う遠藤さんも少し面白半分だ。 ―昼休み― 「今日の朝礼で気付いたんですけど、寺山さんハゲてますね。」 僕がそうやって陰口を言うと寺山さん...

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『ハゲ~おまじない~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~おまじない~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~おまじない~』 あの子のことをずっと見ていた。 同じクラスの安原さん。腰まで伸びた黒くて綺麗な彼女の髪は、今みたいな夏の日でも暑苦しく感じない。 彼女はよく自分の髪の毛を触っている。あんなに綺麗な髪をしていたら触りたくなる気持ちもわかる。 私も彼女の髪の毛を触ってみたい、それができなくてもどうにかして仲良くなりたいと思っていた。 小さい頃にお姉ちゃんから教えてもらったおまじないがあった。 「画用紙に気になる人の髪を三本入れて飛ばすと、その人との距離が縮まる」という...

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『ハゲ~閑話~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~閑話~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~閑話~』 「どうでも良い話なんだが、佑司(ゆうじ)。俺の親父は五十を過ぎて突如禿げ始め、五年後には髪がなくなったのだ」 「だから何だよ」  俺は従兄弟の悠生を軽く睨む。 「お前さ、どうでも良いとわかっているのならば、早朝に呼び出すなよ」 「いや、お前に聞いてほしくて。どうしても」 「どうでも良いんだろ?」 「そうなんだけどさあ。ほら、同じような遺伝子を持つお前なら、きっとわかるはずだと」 「……まあ、俺らはパッと見は双子だからなあ」 「名字と性癖くらいだよな...

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『ショベルカー~埋葬~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~埋葬~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~埋葬~』  今まで生きてきた二十数年で唯一友人と呼べる彼とは、中学からの同級生である。彼は今も不思議な人だが、当時もかなり不思議だった。  授業は真面目に受けているのに、成績は悪かったり。  誰にでも優しくて、男女ともに人気があるのに、色恋沙汰は特になかった。  授業は実は聞いていなくて、恋愛には全く興味ないのでは? と思ったが、そうでもなかった。  俺も男女ともに人気がある方だったから、何となく女子に聞いてみると「鷲海(わしのうみ)くんって、お化けとか見え...

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『ショベルカー~ここ掘れワンワン~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~ここ掘れワンワン~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~ここ掘れワンワン~』 あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。 二人は川で溺れていた子犬を助けてやり、家で飼うことにしました。 あるとき子犬は畑の土を掘りながら「ここ掘れワンワン」と鳴き始めました。 おじいさんが鍬(くわ)で畑を掘ったところ、たくさんのお金が掘り出されました。 驚きながらも二人は喜んで、そのお金で幸せに暮らしました。 それから数年が経ち、子犬は老犬となり、おじいさんもさらにおじいさんになっていました。 「あのとき僕...

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『ショベルカー~壊して欲しい~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~壊して欲しい~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~壊して欲しい~』 昼休み長江が俺のズボンをズラすとパンツも一緒に脱げた。下半身丸出しの状態を数人の女子に見られた。自分がこんなことをされるという事実がダサすぎて、女子からもそう思われたと思うと、顔が真っ赤になった。 長江が平謝りをしているが、僕は何も言わなかった。こうゆうアホにはノーリアクションで対応するに限る。変質者と同じだ。目で殺すのが一番効果的だと思ってる。 かと言って俺の腹の中の怒りが収まった訳でもなく、午後の授業から長江に仕返しする方法を考える。 ...

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息子1歳9カ月『はいチーズ!と、図鑑記憶と、登りたい願望と』

息子1歳9カ月『はいチーズ!と、図鑑記憶と、登りたい願望と』

『はいチーズ!』 とiPadで写真を撮ってあげると、ピースサインのようなことをしだしました。 僕も嫁も全く覚えさせていないのに、どこで覚えたのだろうか? 裏ピースでなおかつ、3本指でするダブルピースはなかなか恰好いいです。 にこにこしながら画面を見つめているので、自分が映っているという認識を持ち始めたようです。 鏡もここへきて好きになってきたみたいで、 鏡の前で「これが足」「これが手」と教えてあげると一緒に自分も動いているので面白いみたいです。 『図鑑記憶』 ...

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『くじら~給食~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~給食~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~給食~』  全くもって、意味のわからないことが起きていた。  その日というか今日、俺は仲良しの左坤優馬(さこんゆうま)くんと、佐々塚優(ささづかゆう)くんと遊ぶ約束をしていた。  場所は佐々塚くんの家だ。  彼は先日まで一人暮しだったが、最近は恋人と同棲していると言う。  その話を聞いて、俺は普通に「迷惑ではないか?」と言った。すると「平気」と彼は答えた。  だから、左坤くんと一緒に彼の家に行ったのだが。 「やあ、兄貴! 優馬くん!」  佐々塚くんはとてつも...

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『田舎に行列の出来る店。豚菜館のラーメンを食べた件』奈良の二階堂

『田舎に行列の出来る店。豚菜館のラーメンを食べた件』奈良の二階堂

豚菜館の食べログ 二階堂に行く機会があったので『豚菜館』へ行ってきた。 平日で雨が強かったのも影響して12時ちょうどに向かったが、すぐに入れた。 僕たちが座ると後ろには10人程の行列が出来ており、タイミングが良かったことを知る。 二階堂中学や高校の生徒たちや、農家の人たち、現場仕事の人たちが多い。駐車場も8台ぐらい停めれるのかな? メニューは醤油ラーメンと味噌ラーメンだった。とりあえず醤油をチョイス!次は味噌にしてみようかな。 醤油の味が濃厚で、かなりガツン系。男...

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『くじら~存在証明~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~存在証明~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~存在証明~』 親も死に家族も持っていない。 誰にも迷惑をかけず、社会においても黙々と波風立てずに過ごしてきた僕が、交通事故にあった。 医者の話によると僕の足はもう使い物にならないらしい。 入院3日目までは『なんで僕が』という感情に押しつぶされていたが、その考えももう面倒になった。 何を持って『生きる』って言うんだろう。そんな哲学めいたことを一人悶々と考えた。 古い病院の天井には無数のシミが出来ていて、僕はそのシミとシミの境界線を視線でなぞり続けた。 この前...

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