『手紙』東野圭吾−人間は不平等であり、理不尽で、不公平である。

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【人間は不平等であり、理不尽で、不公平である。】

「だから殺人は絶対にしてはならないのだ。そういう意味では自殺もまた悪なんだ。自殺とは、自分を殺すことなんだ。たとえ自分がそれでいいと思っても、周りの者もそれを望んでいるとはかぎらない。君のお兄さんはいわば自殺をしたようなものだよ。社会的な死を選んだわけだ。しかしそれによって残された君がどんなに苦しむかを考えなかった。衝動的では済まされない。君が今受けている苦難もひっくるめて、君のお兄さんが犯した罪の刑なんだ」

自分の中で東野圭吾にのめり込むきっかけを作った小説。
犯罪を犯した加害者の弟がどのような人生を送るかという、加害者側のリアル。
救えない、報われない現実を描写。

殺人の重さ。
殺人というきっかけから全ての人が不幸になる。
被害者、加害者すべてが。それほどの負のパワーを持っている。

「差別や偏見のない世界。そんなものは想像の産物でしかない。人間というのは、そういうものとも付き合っていかなきゃならない生き物なんだ」
「我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる―すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。」

という描写が、この主人公の視点から描かれることで、とても考えさせられる小説になっている。

人間は不平等であり、理不尽で、不公平である。
当然だ。それを受け止めろ。という辛く真っ当なメッセージ性がある。

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