『スロウハイツの神様』辻村深月-結婚する。就職する。だけど夢はあきらめない。

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《上巻》

物語は
脚本家の環はスロウハイツというアパートの家主。
漫画家や小説家などのクリエーターやクリエーターの卵を環の基準で面接し、6つの部屋を貸している。
親友のエンヤが抜けた中、新しい入居者カガミがやってくる。大人気作家チヨダコーキも住んでいるのだが、彼の与えていた小説の力が、様々な形になってスロウハイツの住人を刺激する。

辻村深月が描く人々の個性の心理描写は、読んでいて刺激を受け続ける。
全ての登場人物に命を吹き込み、決して設定に妥協していない。丁寧な描写には愛を感じ、読んでいて全く苦にならない文章を書く。

さぁ上巻の最後に環がみたものは何なのだろうか。
クリエイターや、物書きたちが、作り出すそれぞれの自分への脚本が鍵になるのだろう。
疑心暗鬼になりながら下巻を楽しもう。

《下巻》

この高揚感はなんだろうか。
小説好きにはたまらない小説だろう。

形になったものが引き起こす問題。
自分とは違う世界で、自分が引き金を引いている影響力。

制作するという価値。
認められるという価値。

物語は
チヨダコーキは自分が書いた小説で殺し合いの事件があったことを、小説家として誇りに思う。
世間はそれを認められず、家族や友人、隣人などから迫害を受ける。しかし、
詐欺師の娘である環はその小説に救われ、生かされ、創作する。多くのクリエーターを愛する話。

心の闇と光の部分を描く小説というツールは、受け取り方次第で、人生を壊しもし、支えもする。世間は悪いと決めた方が強者になる傾向が強く、卑下することで評論家のように良い気になる。認めるという強さを持つことは、とても効率が悪く生きづらい人生になる。


作中名言

「結婚する。就職する。だけど夢はあきらめない。
そう宣言しているエンヤはかっこよかった。」

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