『鳥居〜違和感をズドン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑦

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『鳥居〜違和感をズドン〜』

「今日も5人しとめた。次のターゲットはお前だ。そうだそこで立ち止まれ。その瞬間がお前の最後だ。さぁ来い。早く来い。そうだそこだ。気味悪がれ。止まった。よしよし。動くなよ。死ね。ズドーン!」

ぶつぶつ言いながらタカシはモデルガンを構えていた。一通り台詞を言い終わるとニヤニヤしながら振り返った。

「おいノブ。今日で6人目だよ。凄いよあの鳥居の落書き。みんな止まって絶対みるんだ。」

「違和感だよ。違和感は人を引き寄せるんだ。」

タカシは分かったのか分かってないのかニヤニヤしながらまた二階の窓から鳥居を観る。

タカシの家は小学校の正門の真裏にある一軒家で、小学校の背中に当たる壁がよく見える。

今思い出せば、その壁にボールを蹴り当てた時、黒ずんでいた壁に白い模様が出来たことだった。

どんどんその壁に白の斑点が出来ていくのが面白く、胸がスッとなる心地良さを感じた。白の斑点を一面に当て終わると何故だか僕は石を手に持っていた。マダラな白を実線の白へと削り取っていく。黒は完全に白くなりきれていなかったんだ。

夢中でゴリゴリと黒を白に変えていく。斑点が実線に、実線が形へと成りかわっていくと、僕は鳥居を描いていた。

どうせだから消されにくいものを描いてみた。意味の無い落書きも内容次第で意味を持ち、一人一人が良いように悪いように解釈しだす。

その思考回路が複雑な方が気持ち良いんだ。暇な奴は、とにかく考えたいんだ。

「タカシ。面白いものを描いたよ。」

−黒川洸太郎−

ショート小説コンテスト

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