『角〜桃太郎続編〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑨

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ST3

『角〜桃太郎続編〜』

昔昔あるところに、お爺さんとお婆さんが暮らしていました。
お爺さんは山へ芝刈りにお婆さんは川へ洗濯へ行きました。
そうすると川から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。
(中略)
桃太郎は鬼を退治し、村から巻き上げた金銀財宝や食料、戦利品として鬼の角を持って帰りました。
村人は何も恐れるものが無くなり平和に暮らしました。

月日が経ち、村人は自分が生きていく以上には働かなくなりました。
先日までは働かなければ鬼に殺されるという恐怖があり、自分とその家族の命を守ることだけを考え日々を一生懸命生きていました。
それが今では生活に余裕が生まれ、誰かさんの嫁は不細工だと陰口をたたいたり、横の田の大根が立派で羨ましいなどと、他人と自分とを比べる様になりました。
絶対評価の生活が相対評価に変わったことで、村人の中に嫉妬や憎悪の感情を持つものが一人二人と出てきました。
あるものは他所の女を奪い、あるものは他人の保存食を盗み、あるものは嫉妬心と憎悪で人を殺しました。

鬼が居た頃、恐怖で日々を一生懸命生きていた村人と、
平和が訪れた今、なんとなく日々を乗り切っている村人を見て、桃太郎はある決心をしました。

鬼から奪った角を自分の額に突き刺したのです。
額から血を流した桃太郎の身体はみるみる赤くなりました。

「おいそこの坊主。こっちに来い。きびだんごをくれてやる。」
桃太郎の血が混じったきびだんごを食べた坊主はなんでも言うことをきく様になりました。
きびだんごで多くの仲間を集め、桃太郎がやったことは、村人から金銀、食料を集めることでした。

村人たちはそれから日々を一生懸命生きる様になりました。
おばあさんが川で大きなスイカを見つけるまでは。。。

めでたしめでたし。

−黒川洸太郎−

ショート小説コンテスト

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