『その日のまえに』重松清-少しでも1を生み出せれば、嫌でも生存者のなかで巡り巡る

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「その日」は確実にやってくる。死ぬということは決して、その人が無くなることではない。
残されたものの心や生活には、死んだ人が残した心や生活が反映される。
その人が残した言葉や行為や好きな物や財産が、死者を忘れた頃にも、残された者の身になっている。

どれだけ自分の存在価値が無くても0で無かったら価値はある。
少しでも1を生み出せれば、嫌でも生存者のなかで巡り巡る。
そんな単純で意義深いことを教えてくれる小説。
短編小説で、それぞれのがん患者の人生を追うのだが、上記のような死者の行為は全てが繋がっているんだよ。と暗に意味する点が秀逸。
生きるという意味。死ぬという意味。何に重きを置き生きていくことが重要か。そんな素敵な小説だ。

作中名言「永遠を目指して人は歩き出すのだろうか。それとも永遠から逃げ出したくて、死ぬまでの旅を始めるのだろうか。
「永遠」などというものはありえない。永遠に続くかのように見えるものも、なにかを1つしくじっただけで、あっけなく終わってしまう。「永遠」に続いているものがあるとしても、それはただ「たまたま終わらなかった」というだけ
延々と繰り返される「始まり」から逃げ出したくて、でも「終わり」を選ぶ勇気もなくて。大きななにかに腹がたち、悔しさに変わり、悲しみになる。

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