『梅雨〜焦燥感と危機感〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト12

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『梅雨〜焦燥感と危機感〜』

目を覚ましスマホを観る。11時だった。昨日4時まで起きてたからだろう。
流行りの漫画を一巻から五十四巻まで一気読みした。次巻は一ヶ月後だという。
スマホのロックを解除し、SNSを立ち上げる。通知が来ていて見てみると一件イイネが付いていた。
誰がイイネを付けたんだろうか。辿っていくと釣りだった。外は雨が降っている。

今日はバイトが休みだ。腹が減ったけど作るのが面倒だ。
ラーメンでも食いにいこうかな。時給850円分を一食で食べるのか。
チャリこいでびちゃびちゃになって食う程か。とりあえずシャワーでも浴びようか。
まぁとりあえずスマホをいじろう。今あいつらは何をしてるんだろう?SNSをチェックする。外は雨が降っている。

スマホで一日一話更新される漫画を読み終えた。続きが気になるが課金するほど馬鹿じゃない。
あいつが薦めてくれた漫画のタイトルが思い出せない。
ベッドの下に読みかけだった伊坂幸太郎の小説があった。手を上に真っ直ぐ伸ばし少し読む。すぐ腕がだるくなる。
横になってちょっと読む。寝る。起きる14時半。外は雨が降っている。

サッポロ一番塩ラーメンを作る。生卵を落とし少し固める。七味をかけ黒こしょうをかける。
冷やご飯があったら完璧だったのに。そううまくはいかない。
鍋のまま食い、流しに残った汁を流し、鍋を水につけておく。
ソファに横になりテレビを点けてSNSをみる。なんの通知も無い。
『一巻から五十四巻まで漫画一気読みしたらしんどいわな。』 一言投稿してみた。
『塩ラーメンには七味と黒こしょう』 続けて投稿。
ソファに横になり、興味の無いスマホニュースをスクロールする。外は雨が降っている。

イエスキリストのように身体に杭が打たれているようだ。
トレインスポッティグのレイトンみたいに身体が床に沈んでいってしまいそうだ。
天井のシミを数えてみた。雨がそのシミから落ちてくるという妄想を働かしてみた。
目を痛いぐらいにギュッと瞑ってみた。ぱっと開けると焦点があわない。暗かった世界がだんだんと明るくなる。
その瞬間にもう一度目を瞑る。なにしてるんだろうか。今日の俺は死んでるように生きている。

雨の中、俺は生きてることを実感するために走る

なんてことはしない。

−黒川洸太郎−

ショート小説コンテスト

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