『鎖骨~守られたい~』白川湊太郎−ショート小説コンテスト21

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『鎖骨~守られたい~』

鎖骨美人になりたい、北川景子、菜々緒、ローラみたいな。
くっきりとした鎖骨が左右とも水平で同じ高さにあると、とても綺麗に見える。
鎖骨が綺麗な女性は華奢なイメージがあって守ってあげたくなるらしい。私が憧れているあの人も言ってた。
鏡で自分の身体を映す。
肩回りに脂肪がたくさんついてて、どこに鎖骨があるのかわからなった。
鎖骨より下のお腹周りは…見ないようにした。
少なくとも守られるより守る方が似合うような体型だった。
私は男性に守られたかった。自分が抱きしめるよりも誰かに抱きしめられたかった。
だから私は鎖骨美人になることを決心したんだ。
私は頑張って運動した。食事制限も行った。
腹筋や背筋、腕立て伏せも頑張った。
大好きだったフライドチキンも我慢した。
体型に劣等感を感じていたから、背中を丸めて過ごしていたけど、猫背の私の鎖骨は中に埋もれてしまっていた。立っているときも座っているときも、しっかり胸を張るよう心掛けた。
特訓を始めて数日後、だんだんと鎖骨のラインが見えてきた。
「よし…」
私はさらに努力をした。。
もっと頑張って運動した。
もっと頑張って食べなくなった。
(よし、このまま順調にいけば私も鎖骨美人になれる!)
そう油断したときに限界がきた。私は一瞬だけ気を失ってバランスを崩して倒れかけた。
危ないと思って反射的に左腕を広げて、肘を伸ばした状態で手をついた。
「!?」
その瞬間、左の肩回りに激痛が走った…
数時間後、私は三角巾を吊っていた。
左の鎖骨を骨折していたのだ。
脂肪がなくなり少しずつ見え始めた鎖骨が、炎症してパンパンに腫れていた。
こんな状態では誰かに抱きしめてもらうどころか、誰かを抱きしめることもできない。
三角巾をしている病人の私なら、誰か守ってあげたくなるだろうか。

−白川湊太郎−

ショート小説コンテスト

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