『犬~特別~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト40

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『犬~特別~』

【俺は犬だ。なぜか、耳と尻尾がある。
人間からしたら、俺のこの秘密はキショイんだろうなぁ。】

耳をセロテープでとめて、バレないように髪の毛を長めにしている。尻尾は常にケツに挟んでる。
ウンコするときは大変で、いちいち気を遣う。あと大勢で着替えなあかんときも大変。
俺のパンツを履くスピードは世界一やと思う。将来いつかセックスするときはどうしようか?
シリコン製のケツのパッドを作ってもらって、それを装着しようか。世間広いねんから一人ぐらい
ケツに割れ目ない奴がいても良いやろ。強めの「こうゆうケツやねん!」で通るかな?
まぁ、尻尾が生えてるよりかは幾分ええと思うねん。相手びっくりするやんか。

いつから生えてきたかって、中学校2年ぐらいかなぁ。始めは遂に俺もケツ毛が生える歳になった
かと勘違いして少し大人を感じて嬉しがっててん。それがあれよあれよと成長期と共に大きく
なってくるやんか。正直本間に怖かった。誰にも相談できず、今にいたってる。
ビジュアル的には一番、中3の夏ぐらいがオモロかったなぁ。バニーガールみたいな尻尾を隠し
持ってラグビー部で副キャプテンしててんもん。みんなに号令かけて、後輩しごいてる時、
俺バニーガールみたいな尻尾生えててん。

でも耳は露出しとるやろ。まさか、生えてくるとは思わんからそれも最初はひどい寝癖やと勘違い
しててさ。でも触ってみたら違和感が凄いんよ。ちょうど高校ぐらいの時に生えてきたからさ、
髪の毛も少し伸ばして隠しててんけど、成長スピードが凄くてさ、犬の耳そっくりになってきと
んねん。そっからずっと頭にセロハンテープ貼ってる。風呂場にセロハンテープ置いてるのは、
はじめ違和感あったけど、もう家族誰もつっこまへん。皆アホなんかな?

多分家族ぐらいはさぁ、言うたら言うたで分かってくれるんちゃうかなぁ?風呂場にあるセロハン
テープの違和感みたいに、時間をかけたら違和感ってなくなるやんか。実際、高校の仲良い友達も
いっぺん言うてみたら、それなりに大丈夫なんちゃうかなぁ?とか一瞬考えたときもあるけど、
大丈夫な訳ないやん。こっちは尻尾と耳が生えとんねん。犬並みに聞こえとんねん。
暴露した瞬間からのヒソヒソ話も、陰イジリも全部きこえんねん。耐えれへんやろ。

どうしたら良いと思う?ここでしか暴露できんからここで言うてる。
なぁどうしたらええ?きしょいままなん俺?

もともと普通じゃないんやろうなぁ。普通やったらそうならんやろ?
特別いうたら感じええけど、実際、特別なんやと思う。
人間は誰しも他人とは違うなにかを求めるらしいけど、もう持ってるやん俺。特別やん。

―黒川洸太郎―

ショート小説コンテスト

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