ショート小説 一覧

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『ジャンクション~幸福の連鎖~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~幸福の連鎖~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~幸福の連鎖~』 補修が入り5限の授業が終わる。ふと見上げると通り雨がざぁざぁと降っていた。 僕はこの前サークルの歓迎会の際、ビンゴの景品で当たった60cmの折りたたみ傘をたまたま鞄に入れていた。 傘を差し、連れも先に帰っていたため仕方なく一人で駅まで歩く。 耳がさみしいのでIphoneで音楽をかけBluetoothをオンにする。 うるさい音楽を聴きたくなかったので80年代のフォークでもかける。 傘を買っているのか購買には凄い列が出来ている。 校...

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『ジャンクション~見えない~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~見えない~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~見えない~』 トラックの運転手というのは退屈だ。 毎日毎日同じルートを行ったり来たり。ほとんどの時間は単調な高速道路を走っている。 この日もいつもと同じルートの高速道路を走っていたが、ある地点で視界に一羽のカラスが飛び込んで来た。 「うわっ、びっくりした……」 奴は私の元を離れるとすぐに舞い上がっていった。その先にはこの道路と立体交差したもう一方の道路があった。ここが道路と道路が立体交差するジャンクションであることをすっかり忘れていた。見上げたことで上にも...

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『ジャンクション~岐路~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~岐路~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~岐路~』  高校を卒業して、ほんの少し経った時。  私は親から卒業祝として、中古車を買ってもらった。  トラックが良かったけれど、まだ大型の免許を取っていなかったから、取ったら買うことにした。  中古車に乗り、母校である藁谷町(わらやのまち)第二高等学校に向かい、恩師である佐野(さの)先生に会いに行った。  駐車場に止め、いざ行こうとすると前から佐野先生が歩いてきた。 「佐野先生っ」  私が声をかけると、先生はニコッと笑い「おう」と言う。 「どうした...

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『時間~口笛親父~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~口笛親父~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~口笛親父~』 親父はよく口笛を吹く人だった。 母に怒られても、愛犬が死んでも。 そんな彼を僕は軽蔑していたが、親父が死に、僕がちょうどその頃の親父の年齢になった時、僕は口笛をよく吹いていた。 駅のホームにて、列の先頭で電車を待っていると、線路が手招きしているように見える。 ホームの白線が現実と死との境目のようで、これを何かのはずみで乗り越えてしまうと一直線でこの現実がなくなる。 それも良いかなと思うときもあるが、僕は思いとどまるように口笛を吹いてみる。 ...

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『時間~廻り巡る~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~廻り巡る~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~廻り巡る~』  我らが藁谷町(わらやのまち)市は、とても穏やかな町である。  駅は昔ながらというか、他のところではあまり見ない木造駅舎。  ICカードというものは使えない。  電車を使うなら、駅員から切手を直接貰う。  僕の仕事は、それだ。  長いこと、この町の駅員を務めている。 「どれくらいの時が経ったのだろうか」  部屋を出て、ホームのベンチに腰を下ろす。  この町の人たちは、何だかんだで自分に優しい。  一日に一回は必ず顔を出してくれるし、話もしてく...

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『時間~見える~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~見える~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~見える~』 毎月第三土曜日は全校集会が行われる。俺はこの時間がすごく苦痛だ。 ただ座っていれば終わるのだけれど...まだ教室で嫌いな数学の授業を聞いてた方がマシに思えてくる。 ざわつく体育館の中がだんだんと静かになっていく。壇上の校長の存在に気がついたからだ。 「えー、みなさんが静かになるまで約二分かかりました」 腕時計を見ながら話し始める。 「ここには約千人の生徒が集まっています。二分間×千人なので二千分も無駄にしているのです。みなさんは人の時間を奪ってい...

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『月~向こう側から~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト44

『月~向こう側から~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト44

『月~向こう側から~』 「大気圏突入、着陸まで3、2、1……着陸完了」 乗って来た機械が開いて中から顔を出す者がいた。 「ここが地球か」 夜だった。何があるのかわからないほど真っ暗であったが、実際に何もなかった。 遠くの方で何かが飛んでいるようにも見える。 「あれって」 空を見て、声をあげる者がいた。その先では白くて丸い物体が空に浮んでいた。 「あれが月なのか」 「そう、私達の星だ」 「綺麗だな」 「本で見たものよりもずっと綺麗だ」 地球の探索は順調に進...

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『月~月見ウタ~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト44

『月~月見ウタ~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト44

『月~月見ウタ~』 今宵は十五夜。  俺ら百鬼出版社社員一同は、社長が住むマンションの屋上で月見をすることにした。 「神呪(かみの)さん! お酌!」  今年の五月に二十歳を迎えたばかりの柳楽(なぎら)くんが、慣れない手つきで俺が持つお猪口に酒を注ぐ。 「神呪さん、日本酒って美味しい?」 「あー、まあまあかな。俺は普段、チューハイばかり飲んでるし」 「チューハイ?」 「うめぇぞ、チューハイ。良い感じに酔える」  俺はニィッと笑い、社長を指す。 「気になるなら、兄に訊...

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『月~キムチ鍋~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト44

『月~キムチ鍋~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト44

『月~キムチ鍋~』 勤務先と家を行き帰りをするだけの日々がとても退屈でいつも死にたいと思っていた。 なにかしらの変化をつけなければ自分がおかしくなりそうで、晩飯だけでも変化をつけようと思った。 少し遠めのスーパーへ歩き、何を食べようか考えた。 一人用のキムチ鍋が目についた。小さい頃大好きだったキムチ鍋。今日はこれにしてみようか。 帰り道ふと夜空を見上げると、とても月が奇麗だった。ずっと見ていると吸い込まれそうな夜空に見とれながらとことこと家路を歩く。 キムチ鍋を袋から...

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『メモ帳~かっこいい仕草~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト43

『メモ帳~かっこいい仕草~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト43

『メモ帳~かっこいい仕草~』 辻先輩に仕事を教えていただいて大体1年が経った。 とは言っても、この人から学んだ事は接待の時にカラオケでヘドバンする方法ぐらいだった。 それぐらいに適当に僕をあしらい、見て覚えればそれで良いじゃんと、自分でも言っていた。 僕の方がエクセルやパワポは使いこなしているし、上司からの評価も良い。 あいつはあんな奴だから、お前がフォローするんだぞと言われる始末だ。 まぁ早くあんな先輩は放っといて、早く出世でもしようなんて思っていた。 ただ辻...

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