黒川洸太郎の小説 一覧

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『暖炉~ルービックキューブ~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト50

『暖炉~ルービックキューブ~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト50

『暖炉~ルービックキューブ~』 ホームパーティーという名のもとで親に連れて行かれた場所はこの街で一番の豪邸だった。 親以外は全く知らない環境で緊張していた僕に対し、 親は「ほら、お友達がいっぱいいるよ。遊んでおいで。」とだけ言い放ち、知り合いらしいおばさんと談笑する。 確かに僕以外に10人程子どもがいて、彼らはお互いを知っているのか知っていないのか隅の方で余所余所しく遊んでいた。 僕は何か一人で遊べるものがないかを探しルービックキューブが転がっていたので、これはラッキー...

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『ハゲ~陰口の代償~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~陰口の代償~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~陰口の代償~』 ―朝礼後― 「今日の朝礼で気付いたんですけど、寺山さんハゲてません?」 僕がそうやって陰口を言うと遠藤さんは笑っていた。 「ほんま?気付かんかったわ。」 と返す言葉に、 「ちらっと見ただけなんですけど、結構やばかったですよ。」 と含み笑いを持たせて応える。 「苦労してはんねんで。」 と言う遠藤さんも少し面白半分だ。 ―昼休み― 「今日の朝礼で気付いたんですけど、寺山さんハゲてますね。」 僕がそうやって陰口を言うと寺山さん...

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『ショベルカー~壊して欲しい~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~壊して欲しい~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~壊して欲しい~』 昼休み長江が俺のズボンをズラすとパンツも一緒に脱げた。下半身丸出しの状態を数人の女子に見られた。自分がこんなことをされるという事実がダサすぎて、女子からもそう思われたと思うと、顔が真っ赤になった。 長江が平謝りをしているが、僕は何も言わなかった。こうゆうアホにはノーリアクションで対応するに限る。変質者と同じだ。目で殺すのが一番効果的だと思ってる。 かと言って俺の腹の中の怒りが収まった訳でもなく、午後の授業から長江に仕返しする方法を考える。 ...

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『くじら~存在証明~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~存在証明~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~存在証明~』 親も死に家族も持っていない。 誰にも迷惑をかけず、社会においても黙々と波風立てずに過ごしてきた僕が、交通事故にあった。 医者の話によると僕の足はもう使い物にならないらしい。 入院3日目までは『なんで僕が』という感情に押しつぶされていたが、その考えももう面倒になった。 何を持って『生きる』って言うんだろう。そんな哲学めいたことを一人悶々と考えた。 古い病院の天井には無数のシミが出来ていて、僕はそのシミとシミの境界線を視線でなぞり続けた。 この前...

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『ジャンクション~幸福の連鎖~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~幸福の連鎖~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト46

『ジャンクション~幸福の連鎖~』 補修が入り5限の授業が終わる。ふと見上げると通り雨がざぁざぁと降っていた。 僕はこの前サークルの歓迎会の際、ビンゴの景品で当たった60cmの折りたたみ傘をたまたま鞄に入れていた。 傘を差し、連れも先に帰っていたため仕方なく一人で駅まで歩く。 耳がさみしいのでIphoneで音楽をかけBluetoothをオンにする。 うるさい音楽を聴きたくなかったので80年代のフォークでもかける。 傘を買っているのか購買には凄い列が出来ている。 校...

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『時間~口笛親父~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~口笛親父~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト45

『時間~口笛親父~』 親父はよく口笛を吹く人だった。 母に怒られても、愛犬が死んでも。 そんな彼を僕は軽蔑していたが、親父が死に、僕がちょうどその頃の親父の年齢になった時、僕は口笛をよく吹いていた。 駅のホームにて、列の先頭で電車を待っていると、線路が手招きしているように見える。 ホームの白線が現実と死との境目のようで、これを何かのはずみで乗り越えてしまうと一直線でこの現実がなくなる。 それも良いかなと思うときもあるが、僕は思いとどまるように口笛を吹いてみる。 ...

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『月~キムチ鍋~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト44

『月~キムチ鍋~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト44

『月~キムチ鍋~』 勤務先と家を行き帰りをするだけの日々がとても退屈でいつも死にたいと思っていた。 なにかしらの変化をつけなければ自分がおかしくなりそうで、晩飯だけでも変化をつけようと思った。 少し遠めのスーパーへ歩き、何を食べようか考えた。 一人用のキムチ鍋が目についた。小さい頃大好きだったキムチ鍋。今日はこれにしてみようか。 帰り道ふと夜空を見上げると、とても月が奇麗だった。ずっと見ていると吸い込まれそうな夜空に見とれながらとことこと家路を歩く。 キムチ鍋を袋から...

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『メモ帳~かっこいい仕草~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト43

『メモ帳~かっこいい仕草~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト43

『メモ帳~かっこいい仕草~』 辻先輩に仕事を教えていただいて大体1年が経った。 とは言っても、この人から学んだ事は接待の時にカラオケでヘドバンする方法ぐらいだった。 それぐらいに適当に僕をあしらい、見て覚えればそれで良いじゃんと、自分でも言っていた。 僕の方がエクセルやパワポは使いこなしているし、上司からの評価も良い。 あいつはあんな奴だから、お前がフォローするんだぞと言われる始末だ。 まぁ早くあんな先輩は放っといて、早く出世でもしようなんて思っていた。 ただ辻...

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『河童~具体的な何か~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト42

『河童~具体的な何か~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト42

あの子がこの池で亡くなってからもう10年が経つ。 それからは、誰かが水面に人影を見ただの適当なことを言って、噂になったりしていた。 「なぁ。」 「・・・?」 「なぁて!」 誰に話しかけられたのか分からず、きょろきょろしていると突然顔に冷たいものがかかった。 「つめた!」と思わず口から出るも、どこから飛んできたのかも分からない。 「ここやて。ここ。池んとこやんか。」 「ヒっ!」僕は恐怖のあまり声が上づってしまった。 そこには河童の格好をした親父が池に立っていた。 ...

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『プール~勉強する意味~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト41

『プール~勉強する意味~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト41

『プール~勉強する意味~』 どこからかプールの匂いがして、なにか遠い昔の記憶が横切った。 あれはいつだったかな。誰かが何かを言ってたな。大事な事だった気がする。 ドン!助手席で息子が塾で配布された英単語帳を放り投げた。 「こんなもん意味ねぇよ。」 これが最近の息子の口癖だ。 なにもかもが面倒くさい年頃なんだろう。俺にもそういえばあった。 とにかく何をするのもイライラしてて、それに対して自分でもダメだと気付いているから、誰かにやいのやいの言われるのが嫌で。 日々...

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