黒川洸太郎の小説 一覧

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『地下鉄〜いたって普通の日常〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト20

『地下鉄〜いたって普通の日常〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト20

『地下鉄〜いたって普通の日常〜』 多くの頭がうじょうじょ。 全員がなんの疑問も持たず着ているヨレヨレの黒のスーツ。 能面のようにうつるおっさんたちの顔。 『こんな社会の一部にはなりたくないなぁ。』 大学時代に考えていたことをふと思い出した。 地下鉄の車窓にはヨレヨレの顔がはっきりと見える。 陽の当たらない場所にぴったりの設定だ。 まるで『お前これで良いのかよ』と自分が自分に投げかけてくるみたいだ。 「、、れ、、と、、、、、たよ。」 突然背中をトントンと...

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『毒〜なんとなく毒なんだな〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト19

『毒〜なんとなく毒なんだな〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト19

『毒〜なんとなく毒なんだな〜』 彼は自分が作った料理に満足している。 私の誕生日を祝ってる訳では無い。惚れてる女に紳士ぶる自分に酔っているだけだ。別に私じゃなくても良い。 先月偶然街で見かけたあの大人しそうな女でもいい。結局この男は誰でも良いのだ。 「ねぇ。このワイン飲もうよ。」私は袋から出したワインを彼に渡した。 彼はワインのラベルをあたかも詳しいかのように見て放った言葉は「良い色だね。」 何を言ってるんだか。 「私の産まれたころのボトルなの。思わず買ってきちゃっ...

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『靴下~見られたら死ぬ~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト18

『靴下~見られたら死ぬ~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト18

≪1時間目≫ 「こんなこと言うのもあれなんだけど、穴あいてるよ。」 隣の席の真理子が遠慮気味に言った台詞が私を強張らせた。 ゆっくりと足元に目を落とすと、かかとに10円玉サイズの穴があいていた。 朝靴下を履くときに気付かなかったのだろうか?いや、そんなはずはない。 こんな大きな穴を見逃すわけがない。 そういえば心当たりがあった。 登校の際に履いてきた私のお気に入りのニューバランスに違和感があったのだ。 少しかかとが痛いなぁと思いながら、こんな日もあるだろうと気にしてい...

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『麒麟~最強の生物~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト17

『麒麟~最強の生物~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト17

『麒麟~最強の生物~』 『基本的に人間ってのはさ、無敵になりたいんだと思う。 マリオで言うとスターを纏っている時間。それが永遠に続くと余裕で全クリしちゃうんだ。 くだらない上司も、生意気な女もさ、無敵の俺には勝てないのさ。 あーこの人には絶対勝てないなぁって相手も思ってるしさ。 ノンストレスだよ。ノンストレス。無敵。ノンストレスさ。』 電車からの車窓を眺めながらそんな事を考え、途中から詩的だなぁと思ったので、少しメロディをつけたりした。 仕事の人間関係に苦しみ、明日...

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『一生懸命〜あの頃の自分〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト16

『一生懸命〜あの頃の自分〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト16

『一生懸命〜あの頃の自分〜』 営業車の窓からあの頃のグラウンドが見えた。炎天下の中で遊ぶ子どもはほんの数人しかおらず、時の流れを感じた。 ふとバスケットゴールに目を移すとボードに付いてるはずのゴールが外されていた。公園の管理組合は子どもたちの自由よりも高齢者の生きやすさを重視したようだ。 あの頃は、朝早く起きて1人でシュート練習して部活でバスケして、終わってから兄貴達とバスケしていた。早朝はボールが跳ねる音が団地中に響き、なるべく低くドリブルをし、ゴールの手前を狙ってボ...

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『向日葵~原色とモノトーン~』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト15

『向日葵~原色とモノトーン~』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト15

『向日葵~原色とモノトーン~』 遠足で向日葵園に行った時の話。 その日は晴天で原色の青、黄、緑が目に痛かった。 みんなが奇麗だ奇麗だと口を揃えて言うが、どうかしていると思った。 近くで見てみると向日葵はブツブツして気持ち悪かった。 本に載っていた通り、全てが太陽に向いている訳ではなく、腐りかけの向日葵はしょぼんと地面を向き、立っているそれよりもよほど不気味で気持ち悪かった。 ケラケラ笑いながら何の悩みも無い奴らが走り回っている。 立派に育った茎を...

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『黒のTシャツ~お前いつもそれ着てるよな~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト14

『黒のTシャツ~お前いつもそれ着てるよな~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト14

『黒のTシャツ~お前いつもそれ着てるよな~』 彼はいつも黒のTシャツを着ているので一度質問してみた。すると彼は「服を毎日選ぶのが面倒だから」とぶっきらぼうに言う。私は、じゃあ白ではダメなのか?と問うが、「別にどっちでもいいよ。しょーもない。」と言った。 人には人の都合がある。もしかしたら彼は身体に大きな傷があって、それが少しでも透けてみえてしまうのを嫌がってるのかもしれない。 さはさりながら、気になる人のことは深く知りたいものだ。彼が黒のTシャツを着る理由をあらゆる角度...

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『とんかつソース〜遺伝だから仕方ないこと〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト13

『とんかつソース〜遺伝だから仕方ないこと〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト13

『とんかつソース〜遺伝だから仕方ないこと〜』 昔から友達が欲しかった。 小学校中学校と、みんな俺を怖がっていた。そりゃそうだろう。小さなことで苛つくんだから。 俺がダメな原因は確実に遺伝であり育った環境だ。 親父もそうなんだ。 晩ご飯の時、おかんがとんかつソースを倒し、親父の皿にぶちまけたんだ。 その時の鬼の形相を忘れられない。殴る。蹴る。殴る。蹴る。 俺が消しゴムを拾おうとした時に、たまたまユウジの足に当たり、それは遠くに転がっていった。 その時、俺の中で何かが...

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『梅雨〜焦燥感と危機感〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト12

『梅雨〜焦燥感と危機感〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト12

『梅雨〜焦燥感と危機感〜』 目を覚ましスマホを観る。11時だった。昨日4時まで起きてたからだろう。 流行りの漫画を一巻から五十四巻まで一気読みした。次巻は一ヶ月後だという。 スマホのロックを解除し、SNSを立ち上げる。通知が来ていて見てみると一件イイネが付いていた。 誰がイイネを付けたんだろうか。辿っていくと釣りだった。外は雨が降っている。 今日はバイトが休みだ。腹が減ったけど作るのが面倒だ。 ラーメンでも食いにいこうかな。時給850円分を一食で食べるのか。 チャリ...

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『壁〜初恋〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト11

『壁〜初恋〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト11

『壁〜初恋〜』 ポケットに手を突っ込みウォークマンを聴きながら歩く。 これが今のところ僕に出来る一番のかっこつけだ。 この壁の前を歩く時のデフォルトスタイルになっている。 見てるかな。まだ登校には早いだろう。 図書館に行くのは読書が好きな訳でなく、 下校時間を遅くしているのだ。 コンビニによって肉まんを買う。 それを食べながら、この壁の前を歩く。 出来るだけ男らしく。片手はもちろんポケットだ。 見てるかな。もう部屋にもどってるだろう。 ナイキの靴を履き、イヤホンを付け、パーカーのフード...

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