黒川洸太郎の小説 一覧

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『一生懸命〜あの頃の自分〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト16

『一生懸命〜あの頃の自分〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト16

『一生懸命〜あの頃の自分〜』 営業車の窓からあの頃のグラウンドが見えた。炎天下の中で遊ぶ子どもはほんの数人しかおらず、時の流れを感じた。 ふとバスケットゴールに目を移すとボードに付いてるはずのゴールが外されていた。公園の管理組合は子どもたちの自由よりも高齢者の生きやすさを重視したようだ。 あの頃は、朝早く起きて1人でシュート練習して部活でバスケして、終わってから兄貴達とバスケしていた。早朝はボールが跳ねる音が団地中に響き、なるべく低くドリブルをし、ゴールの手前を狙ってボ...

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『向日葵~原色とモノトーン~』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト15

『向日葵~原色とモノトーン~』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト15

『向日葵~原色とモノトーン~』 遠足で向日葵園に行った時の話。 その日は晴天で原色の青、黄、緑が目に痛かった。 みんなが奇麗だ奇麗だと口を揃えて言うが、どうかしていると思った。 近くで見てみると向日葵はブツブツして気持ち悪かった。 本に載っていた通り、全てが太陽に向いている訳ではなく、腐りかけの向日葵はしょぼんと地面を向き、立っているそれよりもよほど不気味で気持ち悪かった。 ケラケラ笑いながら何の悩みも無い奴らが走り回っている。 立派に育った茎を...

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『黒のTシャツ~お前いつもそれ着てるよな~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト14

『黒のTシャツ~お前いつもそれ着てるよな~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト14

『黒のTシャツ~お前いつもそれ着てるよな~』 彼はいつも黒のTシャツを着ているので一度質問してみた。すると彼は「服を毎日選ぶのが面倒だから」とぶっきらぼうに言う。私は、じゃあ白ではダメなのか?と問うが、「別にどっちでもいいよ。しょーもない。」と言った。 人には人の都合がある。もしかしたら彼は身体に大きな傷があって、それが少しでも透けてみえてしまうのを嫌がってるのかもしれない。 さはさりながら、気になる人のことは深く知りたいものだ。彼が黒のTシャツを着る理由をあらゆる角度...

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『とんかつソース〜遺伝だから仕方ないこと〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト13

『とんかつソース〜遺伝だから仕方ないこと〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト13

『とんかつソース〜遺伝だから仕方ないこと〜』 昔から友達が欲しかった。 小学校中学校と、みんな俺を怖がっていた。そりゃそうだろう。小さなことで苛つくんだから。 俺がダメな原因は確実に遺伝であり育った環境だ。 親父もそうなんだ。 晩ご飯の時、おかんがとんかつソースを倒し、親父の皿にぶちまけたんだ。 その時の鬼の形相を忘れられない。殴る。蹴る。殴る。蹴る。 俺が消しゴムを拾おうとした時に、たまたまユウジの足に当たり、それは遠くに転がっていった。 その時、俺の中で何かが...

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『梅雨〜焦燥感と危機感〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト12

『梅雨〜焦燥感と危機感〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト12

『梅雨〜焦燥感と危機感〜』 目を覚ましスマホを観る。11時だった。昨日4時まで起きてたからだろう。 流行りの漫画を一巻から五十四巻まで一気読みした。次巻は一ヶ月後だという。 スマホのロックを解除し、SNSを立ち上げる。通知が来ていて見てみると一件イイネが付いていた。 誰がイイネを付けたんだろうか。辿っていくと釣りだった。外は雨が降っている。 今日はバイトが休みだ。腹が減ったけど作るのが面倒だ。 ラーメンでも食いにいこうかな。時給850円分を一食で食べるのか。 チャリ...

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『壁〜初恋〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト11

『壁〜初恋〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト11

『壁〜初恋〜』 ポケットに手を突っ込みウォークマンを聴きながら歩く。 これが今のところ僕に出来る一番のかっこつけだ。 この壁の前を歩く時のデフォルトスタイルになっている。 見てるかな。まだ登校には早いだろう。 図書館に行くのは読書が好きな訳でなく、 下校時間を遅くしているのだ。 コンビニによって肉まんを買う。 それを食べながら、この壁の前を歩く。 出来るだけ男らしく。片手はもちろんポケットだ。 見てるかな。もう部屋にもどってるだろう。 ナイキの靴を履き、イヤホンを付け、パーカーのフード...

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『商店街-時代とイオンと時々息子』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト10

『商店街-時代とイオンと時々息子』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト10

『商店街-時代とイオンと時々息子』 『イオンが出来るらしい』 こんな噂が立っても何もしないこの商店街は糞だ。八百屋も喫茶店も何も考えないのだろうか?このままでは生活出来なくなるという焦燥感が全体的に欠けている。何代も続けてきた暖簾に誇りは無いのだろうか? 俺にも生活がある。一年前古着屋をオープンさせてからそれなりに稼ぎを得た。商店街の客層の平均年齢をぐっと下げ、活性化に一役買ったと自負している。 リアル店舗だけじゃ売上が立たないからネットでも売ってるが、なにかと面倒くさい...

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『角〜桃太郎続編〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜桃太郎続編〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜桃太郎続編〜』 昔昔あるところに、お爺さんとお婆さんが暮らしていました。 お爺さんは山へ芝刈りにお婆さんは川へ洗濯へ行きました。 そうすると川から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。 (中略) 桃太郎は鬼を退治し、村から巻き上げた金銀財宝や食料、戦利品として鬼の角を持って帰りました。 村人は何も恐れるものが無くなり平和に暮らしました。 月日が経ち、村人は自分が生きていく以上には働かなくなりました。 先日までは働かなければ鬼に殺されるという恐怖があ...

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『水槽〜なつくなよウンコマン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜なつくなよウンコマン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜なつくなよウンコマン〜』 「おいウンコマン。お前のウンコめちゃくちゃ長かったなぁ。」コンドウがクソほど面白くないイジリをしている。 キムラは無視を決め込んでいる。 「朝なに食ったらあんな臭いウンコが出るんだよ。なぁウンコマン教えてくれよ。」相変わらずのサブさだ。 キムラは無視を決め込んでいる。 「なぁミブシー。ウンコマンの耳ウンコが詰まって聞えねぇみてぇだぞ。」コンドウとミブシが笑う。 キムラは無視を決め込んでいる。 「あいつらはウンコしねぇのかな?だとしたら逆にクソほどきたねぇ...

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『鳥居〜違和感をズドン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑦

『鳥居〜違和感をズドン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑦

『鳥居〜違和感をズドン〜』 「今日も5人しとめた。次のターゲットはお前だ。そうだそこで立ち止まれ。その瞬間がお前の最後だ。さぁ来い。早く来い。そうだそこだ。気味悪がれ。止まった。よしよし。動くなよ。死ね。ズドーン!」 ぶつぶつ言いながらタカシはモデルガンを構えていた。一通り台詞を言い終わるとニヤニヤしながら振り返った。 「おいノブ。今日で6人目だよ。凄いよあの鳥居の落書き。みんな止まって絶対みるんだ。」 「違和感だよ。違和感は人を引き寄せるんだ。」 タカシは分かったのか分かってないの...

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