白川湊太郎の小説 一覧

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『靴下~足元から元気を~』白川湊太郎−ショート小説コンテスト18

『靴下~足元から元気を~』白川湊太郎−ショート小説コンテスト18

『靴下~足元から元気を~』 新しい配属先でも支店長を務めることになったが、みな優秀なので仕事も大きな問題なく進められるだろうと思った。 一つだけ疑問があるとすれば、窓口に座りお客様の応対をしている女性だ。仕事は丁寧でミスもほとんどない。 靴下が恐竜のイラストでなければ言うことなしなのだが… 恐竜だけではない、新幹線のような小さい男の子が好みそうなものや、アニメのキャラクターのことだってある。 銀行の窓口業務だけならば、お客さんに足元を見られることもないと思うが、一緒に働くこ...

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『麒麟~村の発展~』白川湊太郎−ショート小説コンテスト17

『麒麟~村の発展~』白川湊太郎−ショート小説コンテスト17

『麒麟~~村の発展~』 あるところに、貧しい村がありました。 多くの人が野菜や麦を作り、自給自足をしている村です。 その村をもっと発展させようと村長は考えました。 「お酒を造って、この村の名物として売り出そう!」 遠くの国では麦を使ったお酒が人気らしく、この村でも造ろうと考えたのです。 村民たちの努力によって美味しいお酒はできましたが、なかなか売れません。 次に村長が考えたのはお酒を入れる容器の絵です。 幸せな気持ちで飲むことができる絵にしようと考え、中国の聖獣で縁...

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『一生懸命〜道化〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト16

『一生懸命〜道化〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト16

『一生懸命〜道化〜』 『かんぱーい』 勢いよくジョッキを傾けて、喉を鳴らしながら大きな音を立てて飲む。 「いやあ、みんなで飲むお酒は格別に美味しいですねえ!」 わざと大声を出してみる。考えてみたら仕事中はこんな声は出してはいない。 俺の勤める職場では一年に4回ほど、毎シーズン飲み会が行われる。 俺はこの飲み会がとても苦手だ。みんなが大人しく、粛々と飲むだけで盛り上がることはほとんどなかった。こんな居心地の悪いものは避けたいが、飲み会を休むっていうと社長...

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『向日葵〜お互いに向き合って〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト15

『向日葵〜お互いに向き合って〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト15

『向日葵〜お互いに向き合って〜』 「財布、携帯…と、そろそろいかなきゃ」 リビングに飾ってあるひまわり畑の写真をもう一度見てから家を出る。一緒に住む彼は、今頃リハーサル中だろうか。 私の彼は役者として活躍している。テレビに出ることはほとんどないが、お芝居が好きな人達の間ではかなり有名な人間だ。そんな人とも付き合っていることが嬉しくもあり、悔しくもあった。 劇場へ向かう途中に花屋さんに立ち寄った。 花は色鮮やかで美しいが、その命は短い。その儚さ...

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『黒のTシャツ~ずっと一緒~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト14

『黒のTシャツ~ずっと一緒~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト14

『黒のTシャツ~ずっと一緒~』 毎日肌に身に着けるのは黒のTシャツだと決めていた。決めていたというよりも、選んだり考えたりすることが面倒だったので、いつも同じお店で同じ黒のTシャツを買っていた。白のTシャツなんて根暗で偏屈な俺には似合わないと思って着なかった。そんな俺は一人暮らしで彼女もいない。 ある夜、俺は夢を見た。いつも着ている黒のTシャツの夢だ。 暗闇の中でTシャツが宙を浮いている。かと思うとそれは急に大きく輝き、首元の部分から女の顔が生えてきた。その女は...

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『とんかつソース〜わずかな女子力〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト13

『とんかつソース〜わずかな女子力〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト13

『とんかつソース〜わずかな女子力〜』 普通のOLならばとっくに自宅へ帰ってお風呂に入り、ベッドの中にいるだろう。 しかし普通じゃないOLの私はこの時間も仕事をしている。 デザイン事務所で働くことがこんなにも大変だったとは…毎日何かの納期に追われていて、終電で帰ることができれば良い方。もし帰れなかったら夜通し仕事をして、始発で帰ってシャワーを浴び、仮眠をとって再び出勤する。 こんな狂った生活をしているといつか頭がおかしくなりそう。 時間もなくて、お金もなくて、むさくるしい...

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『梅雨〜仕分け会議〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト12

『梅雨〜仕分け会議〜』白川湊太郎-ショート小説コンテスト12

『梅雨〜仕分け会議〜』 議長「それでは来年度の降水量仕分け会議を始めます」 12ヶ月『よろしくお願いします』 議長「来年度の予定降水量は1700mmとなっています。これを12ヶ月で分配していきたいと思います」 12ヶ月『はーい』 議長「まずは10月」 10月「紅葉狩りなどバス旅行を行う人も多いので、少なめで」 議長「次は11月」 11月「七五三の記念写真を撮る子供たちがいるので、少なめで」 議長「7月は?」 7月「各地で夏祭りが行われるので、少なめで」 議長...

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『壁~意外と簡単に~』白川湊太郎−ショート小説コンテスト11

『壁~意外と簡単に~』白川湊太郎−ショート小説コンテスト11

壁~意外と簡単に~ 季節は春、といっても桜は散ってしまった5月だ。父親の仕事の影響で片手では数えきれないくらい転校を繰り返している。どうしてこのタイミングで、などと父親に尋ねたとしても「仕事だから」としか答えてくれないのだから私にはどうしようもない。 今までのグループはバラバラになり、また新しいクラスとなって始まる4月。その不安定なお互い探り合いの期間に転校していたら、私だってクラスメイトと仲良くなる努力をしてだろう。しかし、今はもう5月。小さな存在の一人一人が集まって、大き...

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『商店街〜走るには最適〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト10

『商店街〜走るには最適〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト10

『商店街〜走るには最適〜』 持っていた切符を駅員に渡した。 未だに有人改札なのは変わっていない。 何年振りだろうか、都会に就職してからは一度も帰ってきてないはずだ。 俺は高校時代まで過ごした田舎に戻ってきた。 せっかくなので、辺りを歩いてみる。 中学校では夏休み期間にも関わらず、多くの生徒が校舎の周りを走っていた。 そういえば、俺も学生の頃は運動部で、練習後はみんなで商店街の駄菓子屋に寄り道したものだった。 アーケードのかかった全長700mの商店街。学校側から50...

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『角〜私欲のために〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜私欲のために〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜私欲のために〜』 あるところに悪魔が住んでいました。 悪魔の仕事は、山のふもとに暮らす山羊たちから角を奪い取り、人間に売りとばすというものでした。 昔からサイの角が漢方薬に使われるという言い伝えはありましたが、山羊の角もその当時の難病が治る特効薬とも言われており、高額で取引されていました。 山羊にとって角は代わりの利かないもので、奪われると死んでしまうのですが、悪魔はそんなことお構いなしで、私欲のために山羊の角を引き抜いていました。 ある日のこと、悪魔は人間から「...

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