物語は愛する人を失ってしまい、主人公がどのように前を見据えて生きようとするのかというよくある話。
なのに、面白い。
おそらくこの大崎善生という人のフィルターを通すと、僕は☆5を付けてしまうのだろう。
それほど奇麗な描写力で、人の切ない心を締め付けて来る。どこまでも純粋で、どこまでも愛情に満ちあふれた小説でした。
作中名言
「苦しみもがきながら、身をよじるように、体の一部がねじきれるような痛みの中からしか手にすることしか出来ない優しさ。
それを手にするためにこんなに苦しんでいる。でももしそれが手にすることが出来れば、この苦しみは無駄じゃない。
アジアンタムブルーを乗り越えた株だけが、冬を越え、生き生きと育っていく。」
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