【運命は決まっている。だから悩まなくていい。的を書き直せば良い。】
ここで僕がレビューを書くと品位を失われてしまうのが怖いぐらい秀逸な小説で、伊坂幸太郎を尊敬してやまないきっかけを作った本。
ストーリーは、銀行強盗を犯した伊藤。未来の見える案山子(かかし)。オーデュボン。リョコウバト。雨を予知する猫。動けないぐらいのデブ。桜。すべてのキャラクターが生き、全てのキャラクターが意味を成す。未来の見える案山子が殺された理由とは?未来が見えるのに、何故誰にも言わないのか?そもそもなぜ喋るのか?
すべては繋がっている。
自分自身も繋がっている。
未来も何もかも、すべてのものに意味があり、気づくか気づかないかだけの現実に何をイライラして過ごす必要があろうか?
頭の良さなんだよな。この感じ大好きだ。
作中名言
「人生ってのはエスカレーターでさ。自分はとまっていても、いつのまにか進んでるんだ。乗った時から進んでいる。到着するところは決まっていてさ、勝手にそいつに向かっているんだ。だけど、みんな気がつかねえんだ。自分のいる場所だけはエスカレーターじゃないって思ってんだよ」
「世界中の物事は、小さいことでつながっていて、影響しあっている」
「自分の投げた矢が絶対、的に当たっているものだと思っていてさ、それがてんで外れた地面に突き刺さっていたら、寂しいじゃないか」
「そういう時はだ」彼は足取りが軽い。「落ちた場所に、自分で的を書けばいいんだよ」
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