「執着」×「自覚が無い」=恐怖の話。
物語は
無罪判決がくだった裁判。
裁判官の新居の横に越してきたのは、その無罪の男。
その日から、多くの親切と多くの不可解がおこる。
この小説では狂気の犯人像を描いているが、こうゆう寄生虫みたいな奴は実際に結構いる。
親切にしてしまったばっかりに自分の味方だと勘違いし、相手に必要以上に執着する。そいつの周りは不幸になり、次から次へ自分に優しい環境に寄生していく。そして優しくした見返りが不十分だと不機嫌になる。
自分自身そーゆう奴とはしれっと距離を置いて過ごしてきたが、端から見てて付き合ってなくて良かったぁと思うことがある。
この小説に出て来る長男も結構な具合に危うい。家族に合ってないので出てった方が良いと思う。
バームクーヘンを回すあたりから、男の狂気にどんどん笑いがでるほど面白くなってくると同時に、この執着の怖さに嫌な汗がでてくる。
ページを捲る手がとまらない。心理描写が見事な小説。
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