声音書房の親父と嫁は子育て中
息子と娘とラジオと本と株が好きな平凡サラリーマンブログ
2016/8/23 2017/1/7 ブックレビュー
限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)
薬物、暴力、セックスのナルシスト伝。
村上龍の伝記なのか、憧れなのか、妄想なのか。 このタイトルにもなっている世界を表す「限りなく透明に近いブルー」という表現が秀逸で、文体も奇麗で歪な世界観に引込まれるのも確かだが、小説として何が言いたいのかは不明。
何回も読んだら納得するような小説は自分的には好きじゃない。ただ記憶には残らないが、印象には残る小説。
親父
もうこれでこのシリーズは終わりにしよう。 「人間は洞窟の中の囚人」哲学の破壊者のプラトンの話。 アカデメイア(世界初の大学)の創設者である彼の生い立ちは、なかなか面白い。 プラトンは有名なレスラーだった。 「プラトン」という言葉は「幅広い」という意味の今で言うジャイアントみたいなリングネーム。 ただオリンピックで金メダルを穫れなかったので哲学者へ移行。ソクラテスの弟子になる。 プラトンの哲学とはこの本を読む限りの僕の解釈では、 「かたち」と「現実の世界」はつなが...
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うつくしい子ども (文春文庫)石田衣良 殺人犯は僕の弟。 「大人になること。正しさの基準を外の世界にではなく自分自身の中心に捉えること。」 ニュータウンにおける少年犯罪を舞台に、加害者家族と、新聞社の視点から切実に綴られる。 僕がこの本を読んで思ったのは若い少年ほど大人なのではないか?ということ。美しすぎる心は犯罪をも生み出す。ニュータウンという時代が生み出した特殊な環境に順応していく大人と、ここが世界だと教え込まれる子どもの心。心の成長とはなんなのだろうか? よ...
小学校でイジメを受けていた彼。家族も小学校に掛け合い、なんとかイジメの実態を伝えるが相手にしてくれない。 彼は本を読み、勉強し、自然を感じ、俳句を始める。イジメを受けている10歳にも満たない彼の生きるということの一生懸命さが伝わる。 身体が弱い。小さい。小学校は分かりやすく弱い者をいじめる。自分の価値観を曲げずに闘ってる彼が詠む俳句は、悲観的でなく、希望に満ちている訳でもなく、迷い踠いている。17音に凝縮された彼の体験と表現美。あなどるなかれ。 この年齢で周囲に気を遣い、イジメを受けても自...
「当たり前とされているものを疑え!」 デカルトの哲学の話ではなく、デカルトはこうゆう生涯を送ったんだよっていう本。 心気症(自分の健康を過度に心配する)持ちのデカルトは、幼い頃から秀才。学校で教えられるアリストテレス哲学も、トマスアクィナスも沈んで見えていた。大部分のものをがらくただと捉え、あらゆる章を総嘗めにしつつも、ある確信を得たと言う。 「俺は何も知らない。」 ソクラテスの無知の知を小学生で感じる。 ジェントルマンの家庭に育ったデカルトは社交の退屈...
【悲しいことをしたら、神様を隠したら良い。】 伊坂幸太郎を読んでいると、日々の通勤が楽しくなる。面白くて仕方ないし、なによりもキャラクターが素直でポジティブだ。 小説で出来る限りの叙述トリックを用い、読者を飽きさせない。サプライズと布石の回収力が見事で気持ちがいい。 ストーリーはボブディラン好きの青年2人が本屋から広辞苑を盗むところから始まり、過去と現在の2軸を織り交ぜながら、悲しい現実が実態を帯びてくる。 動物虐待をリアルに描写し、 輪廻転生を信じるドルジを描...
【全てが因果で繋がると、誰も悪くないし、逆も然り。】 読んでるとき映画ビッグフィッシュを連想させられました。物語を作ることと、心の拠り所を作ることは、似ている。 西遊記という物語が現実と非現実を紐付ける。なぜ少年が引きこもりになったのか。なぜ彼はミスの入力により多額の損額を出してしまったのか。 いかにも結び付かない2つの物語。こうなるから、こうなります。いくつもの因果関係が結びつく。 誰かが連想することは、他の誰かも連想している。猿が海で手を洗うと、地球の裏側でも猿が海で手を洗うよう...
「その日」は確実にやってくる。死ぬということは決して、その人が無くなることではない。 残されたものの心や生活には、死んだ人が残した心や生活が反映される。 その人が残した言葉や行為や好きな物や財産が、死者を忘れた頃にも、残された者の身になっている。 どれだけ自分の存在価値が無くても0で無かったら価値はある。 少しでも1を生み出せれば、嫌でも生存者のなかで巡り巡る。 そんな単純で意義深いことを教えてくれる小説。 短編小説で、それぞれのがん患者の人生を追うのだが、上記のような死...
「語りえぬものには、沈黙しなければならない」 かっちょえーぜヴィトゲンシュタイン! 自分は「凡人」と称しながらも、上級のクラスに入れられた秀才。 「周りは馬鹿ばかりだ」と言いながら、落第してたヒトラーと大違い。同い年。 航空工学、数学を身につけ、ラッセルの集合によるパラドックスの問題を解くために、哲学を勉強する。 その後、ラッセルをしても、「教えることは何もない」と良いしめた悪魔的な天才だった。 そして論理学を勉強したヴィトゲンシュタインはある真理を見つける。 「哲...
イオンの中にある丸亀製麺はいつも行列だ。 安いし早いし美味い。この3拍子があるからだろう。 写真は新メニューの牛好きのかけうどん。温かいうどんが食える時期になりました。 少しだしが甘過ぎるかなぁ。 あと作るのに少し時間がかかるらしく、後で運ばれてきた。 クーポン等いろいろなサービスをしていて一部の消費者は喜んでいるだろうが、 出るのが遅くなったり、客をさばくのが遅くなると本末転倒。 もともと安いので販促に使う金をCMに回したりした方が良い。 トリドール頑張って...
表紙になっている紙粘土で作った女性が凄い気になる。 もし自殺したのが女性生徒で、校舎を見ている描写なのだとしたら、 凄く嫌やな〜。表紙でバレてるとかは止めて欲しい。 物語は 高校で誰かが飛び降り自殺をした。 8人の高校生はいつも通り通学するのだが、そこは誰かの異次元世界にある学校だった。 その中の1人が自殺した友人で、責任を感じろと次々と殺していく話。 誰が自殺し、彼らにどのような責任があるのかは下巻。 辻村深月のキャラクターそれぞれの心理描写が凄い。 こん...
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