『プレゼント~あ、た、し~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト52

*ぶろぐ村に参加してます!
にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ にほんブログ村 小説ブログへ

『プレゼント~あ、た、し~』

「これやってみたいんだー」
実花が嬉しそうに見せてきたananの表紙には『プレゼントはあ、た、し♡を実際にやる方法』と見出しが。どうやらマガジンハウス社は頭がおかしくなったようだ。
雑誌の中身を確認すると「自分自身をプレゼントして許される女の子は?」「自分自身をラッピングする方法」などが書かれてある。これが大真面目なんだから恐ろしい世の中だ。

「ね、だから由利に助けて欲しいの」
彼女は自分自身にリボンを結びつけたいらしい。東急ハンズに勤務しているからと言って私が呼び出される案件ではないと感じた。
実花はもうすでに自身をプレゼントにする気満々で下着姿になっていた。彼女は顔もスタイルも中の下くらい。ananにも「彼氏がよっぽど好きではないと成功はしません」と書かれてあったから、実花自身かなり自分が惚れられていると自覚しているのだろう。

私のハンズ勤務が役に立つのかどうかは判らなかったが、実花にリボンを巻いてみることにした。
彼女に両手両足を開かせて雑誌を見ながらリボンを括りつけていく。雑誌に載ったモデルとは異なり、ややぽっちゃりの体型のくせに下着姿の自分を彼氏に差し出す勇気は無茶にも感じたけれど、脂肪がリボンに食い込んでリボンを固定してくれたので上手く結ぶことができた。
「よし、できたよ」
頭上の蝶々結びでラッピングが完成した。部屋の隅に置かれた全身鏡で結ばれた自分を満足そうに眺める実花を見て帰ろうとしたが
「帰らないで!」
と引き留められた。
「もし彼氏が来なかったときに解いて欲しいから隠れていて」
とのことらしい。ラッピングされて下着姿の友人にお願いされたので、私は仕方なくクローゼットの中に隠れていることにした。

隠れてから5分も経たないうちに、実花の彼氏はやってきた。
「プレゼントはあ、た、し♡」
「おおっ! まじかよ!!」
友人による本気のソレを見てかなりの寒気を感じたが、受け取る側の彼氏はかなり喜んでいる様子だ。顔もスタイルも中の下くらいの実花だったけれど、ちゃんと彼氏がよっぽど惚れていたようで成功させることができた。

「じゃあ、そのまま頂いちゃおうかな……」
(……えっ⁉)
クローゼットの隙間から覗くと、彼はさっき私が結んだリボンを解いていた。
まずい、失敗したときのために残ったけれど、成功したときのことを全く考えていなかった。このままでは二人のイチャイチャが始まってしまう。
だけど、このせっかくのムードをぶち壊してしまいたくない……
どうすることもできないまま、情事が終えて彼氏がシャワーを浴びに行くまでここに留まることを決意した私は、リボンを全て解かれ、ブラのホックまで手をかけられて嬉しそうな友人を遠くから眺めていた。

―白川湊太郎―

ショート小説コンテスト

*ぶろぐ村に参加してます!
にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ にほんブログ村 小説ブログへ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA