『痕跡~うんち~』
ベッドのマットにうんこをした痕跡があった。原因は明らかだ。僕がもらしたのだ。
昨晩スイカを食べたこと、半袖半ズボンで寝たこと、髪を乾かさずに寝たことが原因だろう。
夜中、おなかの調子が悪くなり、朝方おならかうんこかのフィフティーフィフティーに賭けたところ、負けてしまった。
僕はすぐにトイレに駆け込み、残りのうんちを出した。
トイレットペーパーを多めに出してトランクスの内側のうんちを丁寧に拭いた。
風呂場に行くと洗面器に水を張り、洗濯用洗剤をぶっかけてトランクスを漬けてみた。
ちょうど母親が居ない時間で助かった。替えのトランクスを履くとひんやりしていて気持ち良かった。
どれだけ激しく漏れたのだろうか。ベッドにもくっきりうんこの痕跡がある。
とりあえずティッシュを濡らして拭いてみるものの茶色さと臭いは頑固である。
僕はウタマロ石鹸を洗面所から取り出し、マットに直でこすりつけてみる。
綺麗になった気もするし、臭いも消えた気もする。
僕はうんこのにおいを嗅ぎすぎたせいか、これがうんこの臭いなのかウタマロ石鹸の匂いなのか分からなくなり、意外と匂いなんて紙一重なんだなと、どうでもいいことに気づく。
僕はベッドを後にし、風呂場に行きウタマロ石鹸を何気なく置き、風呂場でトランクスの状態を確認する。うっすらとシミにはなっているのものの臭いも痕跡も薄まっていた。
僕は最後の仕上げとして、手でゴシゴシとトランクスの衣と衣をこすりつけ、トランクスを若干けばだたせた。その後はしっかりとトランクスを雑巾絞りして、2階の日当たりの良い場所に干してみた。
これで基本的には家族にばれないだろう。
うんこをした痕跡はこの世から消え去った。
体力を使ってしまったが、僕にやっと平穏な日曜日がやってきた。
―黒川洸太郎―
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