黒川洸太郎の小説 一覧

『痕跡~うんこ~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト62

『痕跡~うんこ~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト62

『痕跡~うんち~』 ベッドのマットにうんこをした痕跡があった。原因は明らかだ。僕がもらしたのだ。 昨晩スイカを食べたこと、半袖半ズボンで寝たこと、髪を乾かさずに寝たことが原因だろう。 夜中、おなかの調子が悪くなり、朝方おならかうんこかのフィフティーフィフティーに賭けたところ、負けてしまった。 僕はすぐにトイレに駆け込み、残りのうんちを出した。 トイレットペーパーを多めに出してトランクスの内側のうんちを丁寧に拭いた。 風呂場に行くと洗面器に水を張り、洗濯用洗剤をぶっかけてト...

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『豚~食われる~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト61

『豚~食われる~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト61

『豚~食われる~』 ふとTVを観ていると 「この豚はなんでこんなに美味しいんですか?」とどこかの芸人が尋ねた時に、 「実は良質などんぐりを日々食べさせているからなんです。」と応えた瞬間に画面が切り替わった。 そこにはどんぐりを一心不乱に食べる豚が映しだされ、それを見守る養豚業者の方がいた。 僕は何気なく『豚 食われる側』と検索する。 すると、『千と千尋の神隠し』において何故千尋の両親は豚になったのかというサイトだった。 そこには、新たな場所に踏み込んだ時に生命力を発...

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『アルバム~卒業~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト60

『アルバム~卒業~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト60

『アルバム~焦燥感~』 ホームルームの時間にも関わらず卒業アルバムが配布されるとクラス中がお祭り騒ぎになった。 教師も卒業間近の生徒たちを咎めることなど無く、一緒にアルバムを捲り懐かしんでいるようだった。 生徒たちもスマホを取り出し教師に写真を求めるなど、もう自制が効かない状態だった。 僕はホームルーム自体がこのままいつ終わるのだろうかと内心いらいらしていた。 この雑音まみれの教室から早く出たいのだが教師自体がこの調子では『終わり』が見つからない。 でも僕は教師に対し...

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『切符~嵌め方~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト59

『切符~嵌め方~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト59

『切符~嵌め方~』 切符の端を折り曲げて改札に通すとどうなるかを僕は知っていた。 高校生の頃、友達と興味本位で試したことがあるからだ。 僕はこの知識を誰に教えるわけでもなく、何かに役に立つなんて思ってもいなかった。 だが、こいつだけは許せない。こんなに図々しい奴が平気で生きてる状況に僕は腹を立てていた。 まずそいつは降りる人が優先という暗黙のルールを破り、肩をぶつけながらも車内に入ってきた。 図体がでかく、態度もでかい。ずっとそうやって生きてきたのだろう。 電車内で...

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『カーテン~準備が大事~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト58

『カーテン~準備が大事~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト58

『カーテン~準備が大事~』 「カーテンってこんな高いの?」全てはこの一言から始まった。 「まぁまぁするねー。」と彼女は言う。相変わらずユルい感じだ。 「ちょっと待って。あの家って窓何個あるんやった?」僕は部屋の中を順繰り思い浮かべながら数えている。 「小さいのが8つと、大きいのが6つだよ。」僕は驚くが、意外としっかりしている彼女にこれからの安心感を覚えていた。 「じゃあこの一番安い6000円のを平均にしても6000円かける14で・・・」僕が暗算をしていると 「84000円...

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『涙~ちゃんとした涙~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト57

『涙~ちゃんとした涙~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト57

『涙~ちゃんとした涙~』 いつも笑っている彼女が涙を流していた。 僕はどうしたの?と聞くと彼女はなんでもないよと言う。 僕は「なんでもないことない。泣いてるじゃないか。」と問い詰めることが優しさなのか 「いつでも相談にのるからね」と問い詰めないことが優しさなのかを迷い、後者を選択した。 後日彼女はいつものように笑っていた。僕は少し安心して遠くから彼女を見ていた。 すると後方から背の高い男性がやってきて親しげに会話をする。僕は少し嫌な気持ちになった。 知り合いの知...

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『プリン~神々しい黄色~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト56

『プリン~神々しい黄色~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト56

『プリン~神々しい黄色~』 嫁が寝静まったのを見計らうと僕はそっとスマホを置いた。 衣擦れの音を気にしながら僕はベッドから立ち上がる。 嫁はいびきをかいて寝ていたので少し安心した。 明日の朝食と称しセブンイレブンの袋を冷蔵庫に入れる習慣は嫁へのフェイクで、来るべき日に備えての準備だった。そして今日がその時、僕は冷蔵庫を開け、セブンイレブンの袋からプリンを取りだした。 そっと冷蔵庫を閉めると、僕は音がギシギシ鳴る床を避けてトイレへ向かう。そこが一番の安全地帯であり言い訳が...

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『上司〜ボトルネック〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト55

『上司〜ボトルネック〜』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト55

『上司〜ボトルネック〜』 僕の上司の課長が、部長に怒られているのを僕は横目でみている。 どうも資料の数字が違っていたようで、そんなの「すいませんでした。すぐ直します」で済む話なのに部長お得意の粘着質のある喋り方が課長を追い詰める。 部下の立場からして直属の上司が追い詰められてるのは少し居心地が悪い。その後機嫌が悪くなるのは当たり前だし、すぐに資料やメールのチェックをしてもらいにくくなる。 自分が怒られてるのを部下はどう見てるんだろう?なんて課長の立場になり自分も考えたりすると...

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『電柱~シアトル~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト54

『電柱~シアトル~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト54

『電柱~シアトル~』 ホームステイ先に帰るバスで日本人っぽい女性を見つけた。背が高くショートカットで目が大きかった。 大体歳も同い年ぐらいだろう。韓国人や台湾人の可能性もあるが化粧の仕方や眉毛の形が日本人だと思った。 席が空いているバス内で、僕は座っており、彼女は立っていた。大きく横揺れのするバスなのに不思議に思った。 海外だからなのか、もう二度と会うことが無いという思いからか、僕は知らず知らず彼女に話しかけていた。 「どうして座らないの?」 彼女は僕の方を見てキョトンと...

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『みかん~リスクとリターン~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト53

『みかん~リスクとリターン~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト53

『みかん~リスクとリターン~』 机の上にはパソコンのディスプレイが6台並んでおり、キーボードとマウスと少しの食料を備蓄している。 株価が下がったところを買う逆ばりスタイルでここ5年は稼げてきたが、最近は資産が目減りしている。 インターネットカジノのサイトに行っては細かい勝利を積み重ね、気が大きくなってきたところで負けている。 これの繰り返しだ。 フリーの投資家になった5年前、世の中は空前の株ブームだった。 僕は当時サラリーマンをやりつつ片手間で投資していたら月に100...

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