ショート小説 一覧

『商店街~すてき商店街へようこそ~』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト10

『商店街~すてき商店街へようこそ~』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト10

『商店街~すてき商店街へようこそ~』 休日の午前中は、ごろごろするに限る。もちろん、午前中は雨で、午後から晴れるというの なら、午後にごろごろしてもいい。とにかく、日当たりがよく、風通しもよいこの家は、周 りに他の家が建っていないこともあってか、住む者を純粋なのんびり屋さんにするようだ。 転た寝が終わったら、今度は散歩に出掛ける。行き先は、公園を通って、商店街だ。自然的 なものは家の付近にたんとあるから、散歩では、別なものと関わりたい。それも、すてきな ものに。 商...

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『商店街〜走るには最適〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト10

『商店街〜走るには最適〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト10

『商店街〜走るには最適〜』 持っていた切符を駅員に渡した。 未だに有人改札なのは変わっていない。 何年振りだろうか、都会に就職してからは一度も帰ってきてないはずだ。 俺は高校時代まで過ごした田舎に戻ってきた。 せっかくなので、辺りを歩いてみる。 中学校では夏休み期間にも関わらず、多くの生徒が校舎の周りを走っていた。 そういえば、俺も学生の頃は運動部で、練習後はみんなで商店街の駄菓子屋に寄り道したものだった。 アーケードのかかった全長700mの商店街。学校側から50...

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『商店街-時代とイオンと時々息子』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト10

『商店街-時代とイオンと時々息子』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト10

『商店街-時代とイオンと時々息子』 『イオンが出来るらしい』 こんな噂が立っても何もしないこの商店街は糞だ。八百屋も喫茶店も何も考えないのだろうか?このままでは生活出来なくなるという焦燥感が全体的に欠けている。何代も続けてきた暖簾に誇りは無いのだろうか? 俺にも生活がある。一年前古着屋をオープンさせてからそれなりに稼ぎを得た。商店街の客層の平均年齢をぐっと下げ、活性化に一役買ったと自負している。 リアル店舗だけじゃ売上が立たないからネットでも売ってるが、なにかと面倒くさい...

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『角』あとがき−白川湊太郎

『角』あとがき−白川湊太郎

あとがきを白川先生が書いてくれています。 湊集編より ショート小説コンテスト 『角~桃太郎続編~』 テーマが「角」である800文字の小説の中で、「角」が2回しか書かれていない。 要所で角を効果的に使っている。 テーマと文字数のレバリッジがとても高い(思いついたので、言ってみたかった) 「絶対評価の生活が相対評価に」というフレーズが好きだ。 鬼がいたお陰(?)で一点だけを見つめていた村人の視点は、余計な要らんとこまで見てしまうようになっている。 次回はスイ...

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『角〜一部ではない場合〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜一部ではない場合〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角~一部でない場合~』 ◯がつ△にち あめ きょう、あじさいのしたで、かたつむりをみつけました。からが、たくさんつぶれていて、おかあさんが、「かわいそうに、しんじゃうね」といいました。あめで、びしょびしょになって、しぬのはかわいそうなので、おうちにつれてかえりました。むしかごに、土とはっぱをいれて、かたつむりをいれました。おかあさんが、きゃべつとにんじんも、いれてくれました。かたつむりが、ゆっくりうごきました。めも、つのも、ゆっくりです。ヤドカリは、すごくはやく、かいがらに...

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『角〜私欲のために〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜私欲のために〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜私欲のために〜』 あるところに悪魔が住んでいました。 悪魔の仕事は、山のふもとに暮らす山羊たちから角を奪い取り、人間に売りとばすというものでした。 昔からサイの角が漢方薬に使われるという言い伝えはありましたが、山羊の角もその当時の難病が治る特効薬とも言われており、高額で取引されていました。 山羊にとって角は代わりの利かないもので、奪われると死んでしまうのですが、悪魔はそんなことお構いなしで、私欲のために山羊の角を引き抜いていました。 ある日のこと、悪魔は人間から「...

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『角〜桃太郎続編〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜桃太郎続編〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜桃太郎続編〜』 昔昔あるところに、お爺さんとお婆さんが暮らしていました。 お爺さんは山へ芝刈りにお婆さんは川へ洗濯へ行きました。 そうすると川から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。 (中略) 桃太郎は鬼を退治し、村から巻き上げた金銀財宝や食料、戦利品として鬼の角を持って帰りました。 村人は何も恐れるものが無くなり平和に暮らしました。 月日が経ち、村人は自分が生きていく以上には働かなくなりました。 先日までは働かなければ鬼に殺されるという恐怖があ...

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『水槽』あとがき−白川湊太郎

『水槽』あとがき−白川湊太郎

あとがきを白川先生が書いてくれています。 湊集編より ショート小説コンテスト 『水槽~支配している~/白川湊太郎』 自分はいつもA4 用紙の真ん中にテーマを書いて、そこから分子構造のように連想するものを一面に書いていく。その中で「水槽→箱→教室」と思いついた。ちょうどその頃に『きみはいい子』を観て、教室で走る回る子供が印象に残っていたことから「水槽で自由に泳ぐ魚」を連想していた。 支配欲の強い人間が、実際には自分も支配されているのだと気づくことにある。海の魚が好きではないの...

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『水槽〜詩がこぼれ落ちた〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜詩がこぼれ落ちた〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜詩がこぼれ落ちた〜』 俺ァ、詩を書くが、其れはむしろ、詩を詠んだあとの残骸だ。酒を呑んでいるとき、おぼろ月を何とはなしに眺めているとき、作家連中と居酒屋で喧嘩しているとき、虫の音にいろはを勝手に宛がうとき、もちろん女を甲斐甲斐しく抱くときだって(俺は抱き合うということばが嫌いだ)、俺は詩をだらだらと詠みこぼしているのだ。 俺の書く詩は、俺が詠んだ詩のぬけ殻だというのに、人は其れを読んで、ふぅむと訳知った顔をする。詩を書く奴より、詩を読む奴の方が、僅かばかり虚しいんだろう。...

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『水槽〜支配している〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜支配している〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜支配している〜』 水槽の魚が好きだ。 海の魚は自分で餌を獲り、自分の好きなように泳ぐ。。 それに対して水槽の魚は、私が自由に餌をやり、私が決めた範囲だけで泳ぐ。 この透明なガラス箱の世界を支えている、いや、支配している実感が得られるのだ。。 私は水槽の魚達が私の入れた餌を食べる様子を確認してから家を出た。 「先生にはこのクラスで授業を行っていただきます」 「はい…」 「大丈夫、みんな明るく元気な生徒達ですよ」 「そうですか…」 クラスの担任であるベテラ...

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