ショート小説 一覧

『角〜私欲のために〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜私欲のために〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜私欲のために〜』 あるところに悪魔が住んでいました。 悪魔の仕事は、山のふもとに暮らす山羊たちから角を奪い取り、人間に売りとばすというものでした。 昔からサイの角が漢方薬に使われるという言い伝えはありましたが、山羊の角もその当時の難病が治る特効薬とも言われており、高額で取引されていました。 山羊にとって角は代わりの利かないもので、奪われると死んでしまうのですが、悪魔はそんなことお構いなしで、私欲のために山羊の角を引き抜いていました。 ある日のこと、悪魔は人間から「...

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『角〜桃太郎続編〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜桃太郎続編〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑨

『角〜桃太郎続編〜』 昔昔あるところに、お爺さんとお婆さんが暮らしていました。 お爺さんは山へ芝刈りにお婆さんは川へ洗濯へ行きました。 そうすると川から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。 (中略) 桃太郎は鬼を退治し、村から巻き上げた金銀財宝や食料、戦利品として鬼の角を持って帰りました。 村人は何も恐れるものが無くなり平和に暮らしました。 月日が経ち、村人は自分が生きていく以上には働かなくなりました。 先日までは働かなければ鬼に殺されるという恐怖があ...

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『水槽』あとがき−白川湊太郎

『水槽』あとがき−白川湊太郎

あとがきを白川先生が書いてくれています。 湊集編より ショート小説コンテスト 『水槽~支配している~/白川湊太郎』 自分はいつもA4 用紙の真ん中にテーマを書いて、そこから分子構造のように連想するものを一面に書いていく。その中で「水槽→箱→教室」と思いついた。ちょうどその頃に『きみはいい子』を観て、教室で走る回る子供が印象に残っていたことから「水槽で自由に泳ぐ魚」を連想していた。 支配欲の強い人間が、実際には自分も支配されているのだと気づくことにある。海の魚が好きではないの...

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『水槽〜詩がこぼれ落ちた〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜詩がこぼれ落ちた〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜詩がこぼれ落ちた〜』 俺ァ、詩を書くが、其れはむしろ、詩を詠んだあとの残骸だ。酒を呑んでいるとき、おぼろ月を何とはなしに眺めているとき、作家連中と居酒屋で喧嘩しているとき、虫の音にいろはを勝手に宛がうとき、もちろん女を甲斐甲斐しく抱くときだって(俺は抱き合うということばが嫌いだ)、俺は詩をだらだらと詠みこぼしているのだ。 俺の書く詩は、俺が詠んだ詩のぬけ殻だというのに、人は其れを読んで、ふぅむと訳知った顔をする。詩を書く奴より、詩を読む奴の方が、僅かばかり虚しいんだろう。...

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『水槽〜支配している〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜支配している〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜支配している〜』 水槽の魚が好きだ。 海の魚は自分で餌を獲り、自分の好きなように泳ぐ。。 それに対して水槽の魚は、私が自由に餌をやり、私が決めた範囲だけで泳ぐ。 この透明なガラス箱の世界を支えている、いや、支配している実感が得られるのだ。。 私は水槽の魚達が私の入れた餌を食べる様子を確認してから家を出た。 「先生にはこのクラスで授業を行っていただきます」 「はい…」 「大丈夫、みんな明るく元気な生徒達ですよ」 「そうですか…」 クラスの担任であるベテラ...

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『水槽〜なつくなよウンコマン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜なつくなよウンコマン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑧

『水槽〜なつくなよウンコマン〜』 「おいウンコマン。お前のウンコめちゃくちゃ長かったなぁ。」コンドウがクソほど面白くないイジリをしている。 キムラは無視を決め込んでいる。 「朝なに食ったらあんな臭いウンコが出るんだよ。なぁウンコマン教えてくれよ。」相変わらずのサブさだ。 キムラは無視を決め込んでいる。 「なぁミブシー。ウンコマンの耳ウンコが詰まって聞えねぇみてぇだぞ。」コンドウとミブシが笑う。 キムラは無視を決め込んでいる。 「あいつらはウンコしねぇのかな?だとしたら逆にクソほどきたねぇ...

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『鳥居〜蟻の宮参り〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑦−

『鳥居〜蟻の宮参り〜』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑦−

『鳥居〜蟻の宮参り〜』 お義母さんとはつ子ちゃんには、不思議な力がある。家の裏庭の、何もないはずのところに、朱色の小さな鳥居が見えるという。そこを蟻が参るという。わたしは炊事や洗濯が終わったら、裏庭の縁側で一休みをするのだけれど、一度もそんなものを見たことがない。それならば、と言って、お義母さんやはつ子ちゃんに付いて裏庭を歩いて回ったりもしたけれど、やっぱりそのようなものは見つからなかった。 「お継母さん、見えなくっても問題ないわ。ただの鳥居よ。そこを蟻がくぐるだけ。そんなことよ...

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『鳥居〜闇と光〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑦

『鳥居〜闇と光〜』白川湊太郎−ショート小説コンテスト⑦

『鳥居〜闇と光〜』 鳥居、それは日本の神社の使いであるニワトリが休む場所であった。 それ以外にも結界として神様に近づく悪しき者を拒むこともしていたそうな… 俺の名前は米田啓太郎。どこにでもいる中学二年生だ。ちなみに彼女はいない。 しかしこれは単なる表の顔に過ぎない。 俺の本当の名は“ダークマッドハンター”である。 前世は狩人で、そのときに神社の使いであるニワトリを何匹も殺して処刑されたのだ。 そんな悪しき前世であるから、光属性エネルギーが強い神社に近づくと、闇属性の...

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『鳥居〜違和感をズドン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑦

『鳥居〜違和感をズドン〜』黒川洸太郎−ショート小説コンテスト⑦

『鳥居〜違和感をズドン〜』 「今日も5人しとめた。次のターゲットはお前だ。そうだそこで立ち止まれ。その瞬間がお前の最後だ。さぁ来い。早く来い。そうだそこだ。気味悪がれ。止まった。よしよし。動くなよ。死ね。ズドーン!」 ぶつぶつ言いながらタカシはモデルガンを構えていた。一通り台詞を言い終わるとニヤニヤしながら振り返った。 「おいノブ。今日で6人目だよ。凄いよあの鳥居の落書き。みんな止まって絶対みるんだ。」 「違和感だよ。違和感は人を引き寄せるんだ。」 タカシは分かったのか分かってないの...

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『オプション~選択されない~』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑥

『オプション~選択されない~』桃川涼太郎−ショート小説コンテスト⑥

『オプション~選択されない~』 ベランダで朝顔を育て始めた頃、スマホの育成ゲームアプリで、サボテンも育て始めた。『育てるハッピープランツ♪』という、意味のわかるような、わからないようなタイトルのアプリで、育てられる植物の種類はヒマワリと栗の木とスイカとサボテンだけだった。 なので、サボテンにした。 ゲームの始めに、進行役のセバスチャンに名前を聞かれて、そこは素直に「フユコ」と答えた。そうして次に、育てるサボテンの名前を聞かれたので、少し考えてから「マルコ」と答えた。マルコに出来...

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