『ハゲ~閑話~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~閑話~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト49

『ハゲ~閑話~』 「どうでも良い話なんだが、佑司(ゆうじ)。俺の親父は五十を過ぎて突如禿げ始め、五年後には髪がなくなったのだ」 「だから何だよ」  俺は従兄弟の悠生を軽く睨む。 「お前さ、どうでも良いとわかっているのならば、早朝に呼び出すなよ」 「いや、お前に聞いてほしくて。どうしても」 「どうでも良いんだろ?」 「そうなんだけどさあ。ほら、同じような遺伝子を持つお前なら、きっとわかるはずだと」 「……まあ、俺らはパッと見は双子だからなあ」 「名字と性癖くらいだよな...

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『ショベルカー~埋葬~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~埋葬~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~埋葬~』  今まで生きてきた二十数年で唯一友人と呼べる彼とは、中学からの同級生である。彼は今も不思議な人だが、当時もかなり不思議だった。  授業は真面目に受けているのに、成績は悪かったり。  誰にでも優しくて、男女ともに人気があるのに、色恋沙汰は特になかった。  授業は実は聞いていなくて、恋愛には全く興味ないのでは? と思ったが、そうでもなかった。  俺も男女ともに人気がある方だったから、何となく女子に聞いてみると「鷲海(わしのうみ)くんって、お化けとか見え...

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『ショベルカー~ここ掘れワンワン~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~ここ掘れワンワン~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~ここ掘れワンワン~』 あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。 二人は川で溺れていた子犬を助けてやり、家で飼うことにしました。 あるとき子犬は畑の土を掘りながら「ここ掘れワンワン」と鳴き始めました。 おじいさんが鍬(くわ)で畑を掘ったところ、たくさんのお金が掘り出されました。 驚きながらも二人は喜んで、そのお金で幸せに暮らしました。 それから数年が経ち、子犬は老犬となり、おじいさんもさらにおじいさんになっていました。 「あのとき僕...

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『ショベルカー~壊して欲しい~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~壊して欲しい~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト48

『ショベルカー~壊して欲しい~』 昼休み長江が俺のズボンをズラすとパンツも一緒に脱げた。下半身丸出しの状態を数人の女子に見られた。自分がこんなことをされるという事実がダサすぎて、女子からもそう思われたと思うと、顔が真っ赤になった。 長江が平謝りをしているが、僕は何も言わなかった。こうゆうアホにはノーリアクションで対応するに限る。変質者と同じだ。目で殺すのが一番効果的だと思ってる。 かと言って俺の腹の中の怒りが収まった訳でもなく、午後の授業から長江に仕返しする方法を考える。 ...

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息子1歳9カ月『はいチーズ!と、図鑑記憶と、登りたい願望と』

息子1歳9カ月『はいチーズ!と、図鑑記憶と、登りたい願望と』

『はいチーズ!』 とiPadで写真を撮ってあげると、ピースサインのようなことをしだしました。 僕も嫁も全く覚えさせていないのに、どこで覚えたのだろうか? 裏ピースでなおかつ、3本指でするダブルピースはなかなか恰好いいです。 にこにこしながら画面を見つめているので、自分が映っているという認識を持ち始めたようです。 鏡もここへきて好きになってきたみたいで、 鏡の前で「これが足」「これが手」と教えてあげると一緒に自分も動いているので面白いみたいです。 『図鑑記憶』 ...

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『くじら~給食~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~給食~』緑川凛太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~給食~』  全くもって、意味のわからないことが起きていた。  その日というか今日、俺は仲良しの左坤優馬(さこんゆうま)くんと、佐々塚優(ささづかゆう)くんと遊ぶ約束をしていた。  場所は佐々塚くんの家だ。  彼は先日まで一人暮しだったが、最近は恋人と同棲していると言う。  その話を聞いて、俺は普通に「迷惑ではないか?」と言った。すると「平気」と彼は答えた。  だから、左坤くんと一緒に彼の家に行ったのだが。 「やあ、兄貴! 優馬くん!」  佐々塚くんはとてつも...

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『田舎に行列の出来る店。豚菜館のラーメンを食べた件』奈良の二階堂

『田舎に行列の出来る店。豚菜館のラーメンを食べた件』奈良の二階堂

豚菜館の食べログ 二階堂に行く機会があったので『豚菜館』へ行ってきた。 平日で雨が強かったのも影響して12時ちょうどに向かったが、すぐに入れた。 僕たちが座ると後ろには10人程の行列が出来ており、タイミングが良かったことを知る。 二階堂中学や高校の生徒たちや、農家の人たち、現場仕事の人たちが多い。駐車場も8台ぐらい停めれるのかな? メニューは醤油ラーメンと味噌ラーメンだった。とりあえず醤油をチョイス!次は味噌にしてみようかな。 醤油の味が濃厚で、かなりガツン系。男...

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『くじら~存在証明~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~存在証明~』黒川洸太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~存在証明~』 親も死に家族も持っていない。 誰にも迷惑をかけず、社会においても黙々と波風立てずに過ごしてきた僕が、交通事故にあった。 医者の話によると僕の足はもう使い物にならないらしい。 入院3日目までは『なんで僕が』という感情に押しつぶされていたが、その考えももう面倒になった。 何を持って『生きる』って言うんだろう。そんな哲学めいたことを一人悶々と考えた。 古い病院の天井には無数のシミが出来ていて、僕はそのシミとシミの境界線を視線でなぞり続けた。 この前...

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『くじら~貢献~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~貢献~』白川湊太郎-ショート小説コンテスト47

『くじら~貢献~』 男の人と食事に来ていた。 「くじらって美味しいんだね」 「そうだね」 「君のことが好きだ、愛している」 「…ありがとう」 「どうして応えてくれないんだ」 彼はすごく困って顔をしている。 「あなたは私のために何をしてくれるの?」 「愛の言葉を伝えるし、素敵なプレゼントもあげる。美味しい食事も食べさせてあげる」 私も困った顔をしていた。 食事の度に思うことがあった。 「私はこんなにもたくさんの命をもらってもいいのだろうか」 昼食にサラダ...

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『きたかた食堂でマグロ丼セットを食べた件』~堺筋本町~

『きたかた食堂でマグロ丼セットを食べた件』~堺筋本町~

きたかた食堂の食べログ こんな店があったんだと全く知らなかった。堺筋本町セブイレの横のビルの地下で多分新しく出来たんじゃないかな。 この店を知ったきっかけは朝のワイドショー『すまたん』で黙々と美味しいとも言わずラーメンを食ってる姿が印象的で行きたくなった。 体調が悪かったので、こってりではなくあっさりの喜多方ラーメンをチョイス。中トロ丼セットで950円やったかな。 ねぎとろ好きの僕にとっては、ラーメンとマグロ丼は無敵の組み合わせ。 ただご飯の量が少なすぎ。そこはケチ...

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